竜宮音秘の調べ・神響き、天岩戸開きの祝いの神楽歌

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皆既月食、月が蘇る型、月読命の蘇り

  • 2010年12月21日 20:37
  • Posted by Yamatofuji

本日、3年4ヶ月ぶりに、皆既月食が観測されました。
皆既月食とは、満月の時に太陽と地球、そして月が一直線に並ぶと、太陽の光が遮られて満月が赤黒く輝く天体現象の事です。

ほとんどの方が、ニュース等でご存知かと思いますので、一般的な皆既月食の話ではなく、別の角度からの皆既月食の話を書いてみたいと思います。

私達の魂は、月に例えられる事があり、月とは、魂の象徴でもあります。
そして、満月とは、魂が完成した姿を表しており、魂の出産、言わば、人となりが完成して神人となった状態を象徴しています。
月とは真中であり、真中の型示しが月なのです。

かいき(皆既)月食とは月が蘇る型でもあり、かいき(回帰)月食という意味でもあり、隠れていたものが表に表れる型でもあります。
蘇る為には元に返らなければならず、元に返って蘇るのであり、元に返らなければ蘇る事は出来ないという事になります。

魂の蘇り、魂の出産、真中、満月とは、御神名で言うと、月読命(ツクヨミノミコト)の蘇りという九十(こと)になります。

古事記には、神界の仕組みが隠されており、魂が出産して人が神として誕生するまでの内的なプロセスが、色々な場面設定を使って象徴的に描かれています。

伊邪那岐命(イザナギノミコト)が、黄泉の国から蘇って(黄泉帰って)から、禊祓えをされた後に、次々と神々が生まれ、一番最後に誕生されたのが、三貴子として有名な、天照大御神(アマテラスオオミカミ)、月読命(ツクヨミノミコト)、須佐之男命(スサノオノミコト)です。

天照大御神と須佐之男命は、その後の物語の中でも大活躍され、天岩戸開きの場面や、八俣の大蛇(ヤマタノオロチ)を退治する場面など、日本人なら誰でも知っている有名な神話の中心的役割を演じられる事になりますが、何故か、月読命だけは、その後の物語には登場しません。

伊邪那岐命の左目から天照大御神が、右目から月読命が誕生したと書かれているとおり、天照大御神と月読命は、一対の関係にあります。
一日に昼と夜があるように、太陽(天照大御神)が治める昼と、月(月読命)が治める夜があるように、光と闇があるように、それらは一対の関係であり、二つで一つ、お互いにとって無くてはならない関係になります。

そして、伊邪那岐命の鼻から誕生したのが、須佐之男命です。
天照大御神と月読命を統合した働きが、須佐之男命であり、須佐之男命が中心の神になります。
須佐之男命が中心の神であるのは、型でも表されています。
鼻とは、顔の中心であり、顔の中心である鼻から誕生したのが須佐之男命であるという表現によって、須佐之男命が中心の神である事を象徴的に言い表しています。
そして、中心の神であるスサノオが、天照大御神と月読命の働きを統合させて、中心の神としての本来の働きをした時、カムスサナルノオオカミとなります。

月は、太陽の光によって輝いています。
本日あった皆既月食とは、満月が地球の影に隠れて太陽の光を遮られてしまう事によって起きた天体現象です。
地球の影に隠れて太陽の光が遮られ、輝きを一旦失った満月は、太陽の光に照らされる事によって、再び輝きを取り戻し、光輝く満月となります。

これと同じように、魂の蘇り、魂の出産、真中、満月、月読命の蘇りとは、天照大御神の天岩戸開きと同じ九十(こと)なのです。
古事記の中で、天照大御神が天岩戸の中にお隠れになった事によって、天も地も暗闇になってしまい、やがて、天照大御神が天岩戸開きによりお姿を現された九十(こと)により、天も地もともに明るくなったと書かれています。

太陽の光に照らされて月も輝くので、天照大御神の天岩戸開きと、月読命の蘇りとは、同じ九十(こと)を表しています。
そして、古事記の中では、別の場面設定を使って、伊邪那岐命の黄泉の国からの蘇り(黄泉帰り)、あるいは、スサノオの八俣の大蛇(ヤマタノオロチ)退治のストーリーなどで表しています。

場面設定と登場人物は違いますが、魂の蘇りというテーマを、様々な形で象徴的に言い表しています。
月読命の働きは隠された働きなので、古事記の中には、月読命の蘇りは書かれていませんが、天照大御神と月読命の働きを統合したスサノオの蘇りの中で、月読命も蘇る九十(こと)になります。
月読命(ツクヨミノミコト)のヨミとは、蘇り(黄泉帰り)を表しており、月の蘇り、即ち、魂の蘇りを表している御神名になります。

私達一人一人の中に、内なる神性が内在しており、天照大御神という御神名は、私達の中にある中心の光をも表しています。
私達一人一人は、その内なる中心の光を、心の奥深くにある岩戸の中に閉じ込めてしまいました。
今こそ、心の奥深くにある岩戸の中に閉じ込めてしまった、中心の光である天照大御神を岩戸の外に開放し、本来の輝きを取り戻す時であり、それは即ち、魂の蘇り、魂の出産、真中出し、月読命の蘇り、満月の輝き、という九十(こと)になります。

次回の皆既月食は、来年2011年、平成23年6月16日になります。

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